多汗症・手のひら治療専門医
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ETS 治療を検討中の患者さまへ

多汗症の手術治療では代償性発汗という副作用があります。
代償性発汗は、手術する交感神経の部位が
不適切な結果生じます。
ほとんどの場合、交感神経幹の手術を行ったものであり、交感神経節を切除していないことが原因です。
交感神経の分布・展開には個体差が
多くあり、一律に手術することは出来ませんが、
当院では、これまでの交感神経の刺激試験と手術内容及び術後の経過の解析から
個体差を見極め、手術する
交感神経節を判断しております。

当院は、初回は片側の手術(通常利き手)
を行います。
対側の多汗症の改善も約20%にみられます。

代償性発汗が問題となるのは、
ETS手術で元々の多汗症が治まっても
本人の想定以上に
別の部位の汗が極端に多くなり、
ETSを受けたことを後悔することです。

片側手術では、
両側手術より代償性発汗の
範囲・程度は少なく半分あるいは
それ以下となります。


また、インターネットで代償性発汗のため、
ETSを後悔している事例は、
ほとんどが初回に両側の手術

受けています。
代償性発汗について十分な説明や情報を
与えられないままETSを両側同時に
受けたのであれば
本当に不幸なことです。

しかしながら、代償性発汗のことを
十分に考慮せず、
片側手術では物足りないという思いで
初回両側の手術の医療機関を選択した
のであれば、仕方のないことです。
そのそも、
ETSの受け方が悪いのであって
ETSが悪いのではありません。
ETSは、手の多汗症に対して
確実な発汗制止効果があり、
この治療を必要とする患者様にとって
きわめて有益な手術です。

そのため、世界のほとんどの国々や地域で
健康保険に承認されている
医療となっています。

当院が、初回片側のETSを行うのは
初回ETSでどの部分の汗が減少し
どの部分の汗が増加するのかという
観察を行い、交感神経の
分布の様子と抑制側と促進側の
作用領域を見極め、個体差を把握するためです。
これにより、二回目の対側手術では、
初回手術より代償性発汗を防ぐことが出来ます。

初回両側同時に行う事は、
よくない切除設定を繰り返す行為であり
当院では2002年開業以来行っておりません。
平成25年4月10日まで6073件の手術を行い
日常生活に問題となる代償性発汗で
再診のあった患者様は17件でした。
初回両側手術の論文では
おおむね3から20%と報告されており、
当院は明らかに少なくなっております。

この結果、平成25年4月10日の時点から
過去初回ETSから1200例連続
(術後1年及び2年でのレポート)
代償性発汗が日常生活で困る
(術後のレポートの設問2の
選択肢e:不自然な汗が多量に出るため
日常生活や仕事で困っている
という理由のため、
対側の手術を受けないという患者様は
ありませんでした。

初回片側で行いかつ切除前に
交感神経の刺激試験から
交感神経の分布・展開をチェックする
技術の成果が得られています。


代償性発汗は偶発的になる病態ではありません。
当院では、代償性発汗の治療の
発生メカニズム(病態)と治療法(対策)にも取り組んで参りました。
手術著しい代償性発汗になった場合、
その副作用の対策が必要となります。

その副作用に効果的な対処が見出せるのか,あるいは全く何も出来ないのか
治療施設により対応はさまざまです。

治療施設の選択には、
代償性発汗についての対応と治療実績
把握しておかなければなりません。

当院は、代償性発汗と味覚性発汗の
治療成功例を有しております。

 代償性発汗の発生メカニズムとその予防方法がわかるようになりました。
 現在では、すでに生じた著しい代償性発汗も完治ないし改善ができます。

代償性発汗は、
ETSで減少した手の汗が
体に移動した汗ではありません。
術前の多汗の量とは関連はありません。
ETSの仕方によって変化します。

 患者さまの個体差が把握されないまま
ETSを行うと不適切な結果となります。
手のひらの多汗の再燃・再発と同時に
代償性発汗が生じます。
(T4あるいは個体差を
無視した手術では、
術後2年で再燃・再発が生じます。
T4切除においても、
著しい代償性発汗は発生します。
ご注意ください。)

 当院においてETSを受け、
代償性発汗にお困りの患者さまは
当院で担当いたします。
(他院の患者様は、手術を受けた
ところでご相談ください。)



(2010年以降は他院の新たな患者様の対応はしておりません。 手術を受けた施設に対応いただいて下さい。)
2013-4-10記述




   


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